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Nasubi no Kimochi

Actor Nasubi considers what to do for his home town Fukushima.

福島の絆

 

私は現在、【なすび】という芸名で、近年は舞台を中心に俳優活動をしております。私は、福島県出身で、高校を卒業する迄の約18年間の殆ど(小3~4の二年間のみ宮城県仙台市に在住)を福島県で過ごしました。2011年3月11日の東日本大震災以降、基本は福島だけではありますが、被災地を幾度が訪れ、その惨状を目の当たりにして、無力感に打ちひしがれたりも致しましたが、地元・福島でローカルの冠番組を5年間程、遣らせて頂いていたという経緯も御座いましてか、訪れた現地の方々から、「なすび来てくれたんだ!」「なすび君に会えて嬉しい、力になる!」「なすびちゃんの活躍を楽しみにしてるからね!」等、温かい御言葉を沢山頂戴もし、逆に励まされて勇気付けられる事が多く、今では...これからの残りの人生に於いてなるべく後悔しない為にも、兎に角形振り構わず、自分なりに出来る事だけでも全部遣ろう、そして遣り続けようと心に決め、故郷を思い小さな行動でもと事を起こしてはおります次第です。私の故郷・福島県は、地震や津波の被害自体は、岩手県や宮城県と比べれば少ないモノでしたが、だからと言って、一年三カ月を経過した今、私が見たり聞いたりする福島県の現状は、決して芳しいモノでは無く、寧ろ、震災後の福島第一原発の事故が、現在進行形という事も有り、深刻な影響を齎し、それ迄の福島県の有り方を大きく変える事態に陥ってしまっているのは間違い無いと思われます。放射性物質の飛散による、避難地域の汚染、妊婦や子供達の健康への懸念、農作物の残留問題等、そしてそれ等は福島県全土への風評被害に形を変え、福島県に大きな重荷として圧し掛かり、暗雲となって立ち込めていると実感致します。福島県を離れて行く人、福島県に残り暮らして行こうとする人。202万人其々が、多かれ少なかれ其々に被災し、それを乗り越えようとしている。家族が福島市内に現在も住んでいる私には、当たり前の様に決して他人事では有りません。

自問自答

 

勿論、この計画は、マスコミ絡みの何かの企画では無く、私一個人の思いのみがその発端になります。無理、無茶、無謀...下手したら売名行為・便乗商売等と、この思いを否定したり非難されたりする事も十二分に理解してもおりますが、それでも構わないから、私はそれ等を甘んじて受けてでも、都内に居るとまだ一年も経っていないのにも関わらず感じてしまう被災地との温度差や溝を埋めたい、どうしても今の福島への注目を集めたい、忘れて欲しくないと思うのです。思い込みだけが先走ってしまった感が否めないモノの...【エベレスト登頂を目指す】という突拍子も無い挑戦が、今の福島県が直面しているであろう、未だ嘗て無い未知の領域に踏み込まざるを得ない復旧や復興に立ち向かって行く福島の皆さんを励まし勇気付け、忘れ薄れ掛け去られ様としてしまっている復旧・復興の機運を再び盛り上げられるのでは無いか?と、思い立つに至るのでした。

そして勿論、こんな事を発信してしまって本当に良いものかどうか?共感し手を差し伸べてくれる人が居るのか?本当に福島の為になる事なのかどうか?逆に福島に迷惑を掛けてしまう危険性すらも孕んでいないか?そもそも、何の為に、誰の為に遣るのか?等、ここ数カ月に亘り自問自答を繰り返して来ました。だからこそ私は、現地(福島県内は勿論、都内近郊での復興イベント等)になるべく赴く事を心掛け、有言実行を旨とし、忘れてはならない現実と向き合うべく、常に自分に発破を負荷を掛けても来ました。そしてそこには、少なからず私に何かを訴えて欲しいと願う方々も居る。私が触れ合った中で、笑顔になったり、元気になったりする方が居る。職業柄、私には、他の人とは違った何かを訴える力が有るのかも知れない。

ならば、それをどう世の中に提示して行くべきなのか?福島県内の皆さん、特に未知の可能性を沢山秘めている子供達には、生き甲斐を持って、これからも前に進んで行く様な推進力になれるものならなりたい。県外の皆さんには、忘れない努力を促す為の、福島県のスポークスマンになりたい。その為の発言力を高め、求心力を集める存在になりたい。その正解は、何なのか?求められる事だけでは何か欠けているのではないか?自分発信で出来る事の限界は何処なのか?

正直、福島市内に暮らす自分の家族も、一先ずは何事も無く暮らせては居るんだし、別に何も波風立てず、後30年位、見て見ぬ振りして暮らす事を考えなかったかと言ったら嘘にもなりますが、突き詰めて行ったら、そんな生き方は私には出来ないし、似合わないんじゃないかと。それに、今迄関わって来た方々を裏切る事なんて毛頭出来ませんし、考えられません。関わるんなら、トコトン行ってみる心構えで臨みます。

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